先日、ネットでも話題になっていた「80億分の1」というゲームをやってみました。
このゲームは、ランダムに選ばれた国や地域で生まれ、そこから人生を送るシミュレーションゲームです。
性別や生まれた家庭の経済状況、家族構成などが決まり、基本的には自動的に人生が進んでいきます。
ただし、進学や就職、結婚などの節目では選択肢が出てきます。その選択によって、その後の人生が変わっていくようです。
生まれる場所も家庭も、自分では選べない。
そんな人生をゲームで体験できるのが面白いところです。
今回、私が送った人生
今回、私が体験したのは、ギニアの農村にある最も貧しい層の家庭に、男の子として生まれる人生でした。
小さい頃から人と接するのが上手だった彼は、人生の中で2度結婚します。
しかし、2度とも妻と病気による死別を経験しました。
生活は貧しく、決して恵まれた環境とはいえません。
そして51歳のとき、心筋梗塞などの虚血性心疾患で亡くなりました。
最後に彼が残した言葉は、
「それでも、悪くない人生だった。」
というものでした。
この言葉が、なんだか印象に残りました。
貧しい暮らしを送り、大切な人との別れも経験した人生。それでも最後に「悪くない人生だった」と思えた。
彼にとって、幸せとは何だったのでしょうか。

人生は、本当に人それぞれ
その後も何度かプレイしてみました。
すると、まったく違う人生が次々と出てきました。
- 裕福な家庭に生まれ、親のすすめで14歳で結婚した女性。
- 貧しい家庭に生まれ、学校にも通えなかったけれど、起業して家族や友人と親しく暮らした男性。
- 裕福な家庭に生まれたものの、10代で病気によって亡くなった男性。
同じゲームなのに、生まれた環境も、経験する出来事も、人生の長さも違います。
お金に恵まれていても、長く生きられるとは限らない。
貧しい環境で育っても、家族や友人に恵まれた人生を送ることもある。
もちろん、ゲームの中の人生が現実をそのまま再現しているわけではありません。
それでも、いろいろな人生を体験していると、考えさせられることがありました。
幸せって、なんなんやろう?
ゲームの中では、こんな人生もありました。
お金持ちになったけれど、家族や友人とは疎遠になってしまう人生。
貧しい暮らしをしていても、子どもや孫、友人に囲まれて暮らす人生。
途上国から先進国へ移住し、仕事や家庭を持って豊かな暮らしを手に入れたけれど、最後には故郷に帰りたいと思う人生。
どれが正解というわけではありません。
お金があれば、生活の不安を減らせます。できることも増えるでしょう。
家族や友人とのつながりがあれば、心が満たされることもあります。
健康であれば、好きなことを楽しめます。
自分のやりたいことに時間を使えるのも、大切なことです。
でも、どれかひとつがあれば、それだけで幸せになれるわけでもなさそうです。
お金を手に入れるために、大切な人との時間を失ってしまったら。
仕事を頑張りすぎて、体を壊してしまったら。
将来のためにと毎日を我慢して、今の楽しみをすべて後回しにしてしまったら。
それは、本当に自分が望んでいた人生なのだろうか。
そんなことを考えました。
自分の人生も、少し振り返ってみる
私自身、家庭があり、まだ小学生の子どももいます。
これからの生活費や子どもの学費、自分たちの老後のお金のことを考えると、仕事を精一杯頑張らなければと思います。
自営業ということもあり、将来への不安がまったくないわけではありません。
だからこそ、お金のことを考えたり、仕事を頑張ったりするのは大切なことです。
ただ、そこばかりに気を取られてしまうのも、少し違う気がします。
仕事に追われて、家族との時間が減ってしまう。
友人との付き合いがなくなってしまう。
無理をしすぎて、体を壊してしまう。
趣味や楽しみを忘れて、毎日が仕事だけになってしまう。
将来のために頑張っているはずなのに、その過程で今の幸せを失ってしまったら、何のために頑張っているのかわからなくなりそうです。
お金も大切。
仕事も大切。
家族も、友人も、健康も大切。
趣味や自分の時間も大切。
どれかひとつだけを優先するのではなく、できる範囲でバランスを取っていきたい。
今回のゲームを通して、そんな当たり前のことを改めて感じました。
80億分の1の人生を、どう生きるか
現実の世界でも、私たちは生まれる国や家庭を選べません。
生まれた環境によって、できることや選択肢が大きく変わるのも事実です。
努力すれば何でもできる、という単純な話ではないと思います。
それでも、自分に与えられた環境の中で、何を大切にして生きるかは、少しずつ考えていけるはずです。
もちろん、生活していくためにはお金が必要です。
将来に備えることも大事です。
だからといって、将来のためだけに今を犠牲にする必要もない。
今を楽しむことだけを考えて、将来への備えをすべて後回しにする必要もない。
仕事を頑張りながら、家族との時間も大切にする。
お金の不安を減らしながら、趣味も楽しむ。
健康に気を配りながら、無理のない範囲でやりたいことに挑戦する。
そんな暮らしを、少しずつ作っていけたらいいなと思います。
「80億分の1」をプレイしたからといって、人生の答えが見つかったわけではありません。
そもそも、幸せの形は人それぞれです。
でも、自分とは違う人生を体験してみることで、普段は当たり前だと思っているものを見つめ直すきっかけにはなりました。
自分にとって、本当に大切なものは何なのか。
何のために仕事をして、何のためにお金を貯めているのか。
ときどき立ち止まって考えてみるのも、悪くないのかもしれません。
せっかくの一度きりの人生。
将来のために備えながら、今の暮らしも楽しむ。
そんなバランスを大切にしていきたいと思います。

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